開講プログラムと到達目標
プログラムとコース

手話言語教育部門では、群馬大学の学生を対象とした対面授業による「手話サポーター養成プログラム」と、社会人・他大学の学生を対象とした遠隔授業による「日本手話実践力育成プログラム」を開講しています。
各プログラムのコースは、厚生労働省が定める手話奉仕員及び手話通訳者養成カリキュラムの基準を満たしています。
実施形態は対面と遠隔で異なりますが、教育内容は基本的に共通しています。
各コースの到達目標
群馬大学の日本手話・手話通訳教育プログラムでは、ヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Language: CEFR)の行動中心の考え方に基づいた授業を展開しています。
その中で、ろう児・者の教育および支援の場で通用する水準の日本手話運用力を習得すること、さらにそれを土台として手話通訳の基礎的なスキルを習得することを到達目標としています。
また、言語は、使用する人々や社会的文脈と切り離して捉えることのできないものです。
そのため、日本手話の運用力にとどまらず、日本手話を使うろう者の生活や価値観、社会的背景への理解を深め、ろう者との多様な場面において、相互理解に基づくコミュニケーションや通訳を実践できる態度の形成を目指しています。

ベーシックコース(日本手話実践力育成プログラム)
●CEFR A2以上-B1 レベルの日本手話の運用をすることができる。
【B1】
仕事、学校、娯楽でふだん出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば主要点を理解できる。身近で個人的にも関心のある話題について、単純な方法で結びつけられた、脈絡のあるテクストを作ることができる。経験、出来事、夢、希望、野心を説明し、意見や計画の理由、説明を短く述べることができる。
【A2】
ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係のある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応じることができる。自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる。
●日本手話の基本文法について文法用語で理解し使用することができる。
●語彙を1,500語以上理解・産出することができる。
●ろう者の生活や社会に関わる基礎知識を持ち、日本手話のコミュケーションに活かすことができる。
アドバンスコース(日本手話実践力育成プログラム)
●CEFR B2レベル以上の日本手話の運用をすることができる。
【B2】
自分の専門分野の技術的な議論も含めて、具体的な話題でも抽象的な話題でも複雑なテクストの主要な内容を理解できる。お互いに緊張しないで熟達した日本手話話者とやりとりができるくらい流暢かつ自然である。かなり広汎な範囲の話題について、明確で詳細なテクストを作ることができ、さまざまな選択肢について長所や短所を示しながら自己の視点を説明できる。
●語彙を3,500語以上理解・産出することができる。
●かなり広汎な範囲の話題について、日本手話と日本語の意味的等価性を保持し、目標言語で正確にその内容を伝える文にして訳出することができる。
●コミュニケーションの本質を理解し、円滑なコミュニケーションを成立させるために通訳者として職業倫理に則った効果的な判断と行動をとることができる。
●手話通訳者の理念と仕事、健康管理に関わる知識を持ち、将来の手話通訳活動に活かすことができる。
プログラム全体の受講イメージ

- 「言語としての日本手話IA」と「言語としての日本手話IB」、および「言語としての日本手話ⅡA」と「言語としての日本手話ⅡB」は、必ずセットで受講してください。
- 「言語としての日本手話」(ⅠA・ⅠB・ⅡA・ⅡB)および「日本手話と日本語の違いを学ぶ」(I・Ⅱ・Ⅲ)は、全7科目を通して、日本手話の知識・スキルと手話通訳スキルを段階的に積み上げていくカリキュラムです。そのため原則として、履修にあたっては前段階の科目の単位を修得していることを条件とします。
- 以下の場合は、手話言語教育部門(signstaff[at]ml.gunma-u.ac.jp)までご相談ください。
※ [at]は、半角アットマークに置き換えてください。・手話サポーター養成プログラムの科目を履修しようとすると、履修登録可能な単位数の上限を超えてしまう場合
・手話サポーター養成プログラムの科目を履修したいものの、他の必修科目と開講曜日・時限が重なってしまう場合

- 遠隔で授業を受けるための機材等のご準備やセッティングは、ご自身で行っていただきます。
- リアルタイム双方向オンライン授業は、開講曜日・時限が決まっており、その時間に授業に出席する必要があります。具体的な開講曜日・時限は、各年度の募集要項で確認してください。
- ベーシックコース、アドバンスコースともに、選抜試験があります。詳細については、各年度の募集要項で確認してください。
各授業について
各授業のシラバスはこちらからご覧いただけます。
※日本手話実践力育成プログラムの該当科目では、一部異なる内容となっています。
<手話奉仕員養成科目>
ろうの教員から直接学べる授業です。
グループで、さまざまな課題(タスク)に取り組む言語活動を通して、日本手話の音韻・語彙・文法の基礎を身につけます。
事前課題と予習を十分に行ったうえで、授業に臨んでください。


ろう者の何気ない日常や生きざま、ろう文化、そしてろう者がマイノリティとして直面するさまざまな社会的な壁といったテーマを扱いながら、日本手話による言語活動を行い、運用力を高めていきます。
<手話通訳者養成科目>
日本手話から日本語への翻訳検討を通して、「意味的な等価性」を確保する視点を学びます。
また、通訳者に求められる、意味やメッセージを的確に捉えるための「聞き方」を身につけます。
併せて、日本手話の運用力をさらに高めるための言語活動を行います。
いよいよ、同時通訳の練習が始まります。聞きとり通訳と読みとり通訳に分けて、同時通訳に取り組みながら、通訳の基礎的なスキルを身につけていきます。
最後の演習では、市民向け講座を想定し、特別支援教育講座の教員による40分間の講演を、交代で日本手話に訳します。
併せて、日本手話の運用力をさらに高めるための言語活動にも取り組みます。


聞きとり通訳・読みとり通訳・会話通訳に分けて、さまざまな場面における同時通訳に取り組みます。
また、デマンド・コントロール・スキーマ(DC-S)の学習を通して、手話通訳者として求められる現場での判断について学びます。
2年半の学びの総仕上げは、原美術館ARCのご協力をいただき、美術館における学芸員の解説通訳にチャレンジします(日本手話実践力育成プログラムでは、すべてオンライン上での実習となります)。


●SDGs総合演習:日本手話を活用した聴覚障害児者支援の実践
ロールプレイによる模擬授業の指導に加え、群馬県聴覚障害者コミュニケーションプラザおよび群馬県聴覚障害者連盟のご協力による聴覚障害者情報提供施設での業務補助や高齢ろう者との交流、さらにNPO法人きらきらのご協力による放課後等デイサービスでの活動など、多様な現場体験実習を行います。
特別支援学校教諭免許状(聴覚障害)取得に必要な科目のうち、厚生労働省の手話奉仕員・手話通訳者養成カリキュラムにおける「講義」に相当する内容と一部重なります。
日本手話実践力育成プログラム受講者は、同カリキュラムの「講義」に相当する内容のみで構成されたオンデマンド授業を通して学びます。
●聴覚障害教育概論
●聴覚障害児の心理・生理・病理
●聴覚障害児の心理特論
●聴覚障害児教育課程・指導法
●聴覚障害児指導法特論
